七尾町旧記(読み)ななおまちきゆうき

日本歴史地名大系 「七尾町旧記」の解説

七尾町旧記
ななおまちきゆうき

一冊

写本 加越能文庫

解説 墨付八〇枚の装幀本。目次に原本同町戸長役場蔵とあって、明治初年に前田家編輯方が戸長役場保存の書類を筆写したもの。内容は、(一)元和九年から在役した石黒覚左衛門より幕末の氏家粂五郎まで、三〇代にわたる所口町奉行の氏名・在職年次ほか。(二)七尾町から藩主への贈物の礼状、小物成・屋敷検地帳・伝馬定・蔵宿定・町夫高など、江戸時代初期―中期の重要な定書・触書。(三)明暦三年の河埋立ての打立歩数と地子銀を記す。(四)寛文五年の御餌指御用の人足や賄の費用徴収法についての願書など。(五)元禄七年拾人組高写で、一四人で十人組を組んでいる町人それぞれの間高・裏(浦)役銀などを記す。(六)長齢寺由来書などで、前田利家の母長齢院ゆかりの同寺建立の経緯ほか。(七)七尾酒の江戸送り、大坂送りにつき藩への嘆願書。(八)は長谷川等伯系譜で、春信を等伯の長子とするなど、等伯・春信同人説が定着した今日問題があるが、系譜を知る貴重な史料(九)は江戸相撲年寄阿武松緑之助らから七尾の相撲世話人に与えた免許状など。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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