上狼塚村(読み)かみおいぬつかむら

日本歴史地名大系 「上狼塚村」の解説

上狼塚村
かみおいぬつかむら

[現在地名]中新田町上狼塚

多田ただ川右岸にあり、南は下狼塚村、東は平柳ひらやなぎ村、北は志田郡耳取みみとり(現古川市)、西は菜切谷なぎりや村に接する。中世の「余目記録」にみえる「大狼塚」「大いぬ塚」が、近世上下に分村したと思われる。「政宗記」天正一四年(一五八六)八月の条にみえる「狼塚の城」は当村内にある上狼塚館である。当時の城主は大崎家臣の里見紀伊守であった。正保郷帳に田六〇貫九七文・畑七貫二八九文とあり、ほかに同所新田四〇四文がある。「安永風土記」によれば、田六七貫七九二文・畑一二貫五五文(うち茶畑三八文)で、蔵入は五貫八〇文、給所は七四貫七六七文、人頭五二人(うち寺一・沽却禿一五)、家数四六(ただし借屋九)、男一一六・女七五、馬二六で、当村一円用水の赤はけ堤(溜高四貫文)と同所下堤(同六貫一〇〇文)があり、そのほかに八ヵ村入会の米泉こめいずみ(当村溜高二三貫文)、九ヵ村入会の高川たかがわ(同四貫一〇二文)、三ヵ村入会の奈布田川なふたがわ(同三〇貫八五文)があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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