上皮性良性腫瘍

内科学 第10版 「上皮性良性腫瘍」の解説

上皮性良性腫瘍(良性肺腫瘍および腫瘍類似疾患)

(1)上皮性良性腫瘍
 腺腫と乳頭腫(papilloma)が,代表的な上皮性良性腫瘍である.いずれの腫瘍も外科的切除により治癒し,再発することはまれである.①腺腫は,臨床的にも組織学的に多様である.中枢気管支にポリープ状に発育するものから,肺末梢に孤立性腫瘤として発生するものがある.臨床的にも無症状のものから,咳,喘鳴,息切れなどの症状を呈するものがある.②乳頭腫は,中枢気管支に発生することが多く,表面を覆う上皮の種類により扁平上皮性(squamous cell),腺上皮性(glandular),混合型(mixed)の3型に分類される.扁平上皮性が約70%を占め,男性に多く,喫煙とヒト・パピローマウイルスとの関連が指摘されている.3型の組織型による予後の違いはないとされる.[長谷川好規]
■文献
Myers JL, et al: Benign Lung Tumors. Murray & Nadel’s Textbook of Respiratory Medicine 5th ed(Mason RJ, et al) pp1171-1185, Saunders, Philadelphia, 2010.
巽浩一郎,他:わが国における肺好酸球性肉芽腫症検討. 厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班平成9年度研究報告書,39-41, 1998.
Travis WD, et al: Pathology and Genetics of Tumours of the Lung, Pleura, Thymus and Heart. World Health Organization Classification of Tumours. IARC Press, Lyon, 2004.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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