岩石学辞典 「不適合元素」の解説 不適合元素 岩石の部分熔融作用によるマグマの発生や,マグマの分別結晶作用の際に,鉱物中の陽イオンの位置に入りにくい元素はマグマに濃集する.このように陽イオンの位置に合わない元素を不適合元素という.不適合元素は固相と液相の間の分配係数が1よりもかなり小さく,マグマに濃集する.K, Rb, Cs, Sr, Ba, 希土類元素,Th, Uなどのイオン半径が大きいために固相に入りにくいLIL元素と,Zr, Nb, Hf, Taなどイオン価が大きく固相に入りにくいHFS元素とがある.マントルには不適合元素に富む部分(enriched mantle)と,欠如している部分(depleted mantle)とが存在すると考えられている[地学団体研究会 : 1996]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報