最新 地学事典 「不適合元素」の解説
ふてきごうげんそ
不適合元素
incompatible elements
岩石の部分融解作用によるマグマの発生やマグマの分別結晶作用の際に,鉱物中の陽イオンサイトに入りにくい元素はマグマに濃集するが,陽イオンサイトに合わない(incompatible)という意味で不適合元素,あるいは英語名のままインコンパチブルエレメントと呼ばれる。さらに,hygromagmatophile(HYG)元素,液相濃集元素という語も似た意味で用いられる。不適合元素は,主要な造岩鉱物(固相)とマグマ(液相)との間の分配係数が1よりかなり小さく,マグマ中に濃集する。K・Rb・Cs・Sr・Ba・希土類元素・Th・Uなどイオン半径が大きいために固相に入りにくい元素(LIL元素)とZr・Nb・Hf・Taなどイオン価が大きく固相に入りにくい元素(HFS元素)とがある。火山島や大陸内のアルカリ玄武岩に濃集し,中央海嶺ソレアイト玄武岩に欠乏しているが,このことはマントルには不適合元素に富む部分(enriched mantle)と欠如する部分(depleted mantle)とが存在することを示している。
執筆者:野津 憲治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

