中臣東人(読み)なかとみのあずまひと

朝日日本歴史人物事典 「中臣東人」の解説

中臣東人

生年生没年不詳
8世紀前半の官人。意美麻呂の子。母は中臣鎌足の娘斗売娘 であるという。和銅4(711)年従五位下に叙される。養老2(718)年式部少輔,同4年右中弁を歴任し,『政事要略』に引用されている『官曹事類』によると,同5年9月の伊勢神宮幣帛使発遣に際して,中臣として奉仕したとあり,神祇祭祀の面でも活躍している。天平4(732)年兵部大輔となり,同5年従四位下に叙せられたが,以後の動向は不明。祭主,神祇伯,左中弁,刑部卿などの官歴を記す史料もある(『尊卑分脈』)が,信憑性は不詳。『万葉集』巻4に阿倍女郎との相聞歌1首を残し,女性関係がわかる。

(森公章)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中臣東人」の解説

中臣東人 なかとみの-あずまひと

?-? 奈良時代官吏
中臣意美麻呂(おみまろ)の子。天平(てんぴょう)4年(732)兵部大輔(たいふ)となる。のち神祇伯(じんぎはく),刑部卿(ぎょうぶきょう)をつとめたともいう。「万葉集」巻4に阿倍女郎(あべの-いらつめ)との相聞歌がのせられている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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