中間演劇(読み)チュウカンエンゲキ

大辞林 第三版の解説

ちゅうかんえんげき【中間演劇】

井上正夫が提唱した、新派と新劇との中間に位置する演劇。新派の大衆性と新劇の芸術性を兼ね備えた劇。現在では、普通、新劇と大衆演劇との中間をゆく劇をさす。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の中間演劇の言及

【井上演劇道場】より

…明治末期以来,新派俳優中で最も進歩的行動をとってきた井上正夫が,1936年4月,村山知義を協力者として創設した劇団。芸術的な大衆演劇の創造を目標にしたのを,新派と新劇のあいだを行く〈中間演劇〉と評された。山口俊雄,岡田嘉子,山村聡らを座員として久板栄二郎《断層》,三好十郎《彦六大いに笑う》,八木隆一郎《熊の唄》,北条秀司《華やかな夜景》など社会性をもった鋭い人間劇を上演して好評を得た。…

【新派】より

…新生新派に去られた河合,喜多村,小堀,藤村,英,梅島昇らは〈本流新派〉と呼ばれ(1942年3月の河合の死で〈劇団新派〉と改称),ときに芸術座の水谷との共演も行った。一方,井上正夫は〈新派〉でもない新劇でもない〈中間演劇〉を標榜して井上演劇道場を36年4月におこし,岡田嘉子,市川紅梅(のち市川翠扇)らの俳優を擁しつつ,水谷とも共演,また一方では新劇の村山知義や杉本良吉らを演出に迎えた。井上道場では久板(ひさいた)栄二郎《断層》《北東の風》,三好十郎《彦六大いに笑ふ》《地熱》,北条秀司(ひでじ)《華やかなる夜景》《閣下》,八木隆一郎《熊の唄》《海の星》など意欲に燃えた問題劇を上演した。…

※「中間演劇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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