中院町(読み)ちゆういんちよう

日本歴史地名大系 「中院町」の解説

中院町
ちゆういんちよう

[現在地名]奈良市中院町

北室きたむろ町の東に位置し、元興がんごう極楽坊の所在地。「奈良曝」に「町役三十壱軒(中略)元興寺さかへし時、春日の中院をうつしたる一院の名なり」とあり、「奈良坊目拙解」などは中院を極楽坊とし、長元八年(一〇三五)に元興寺が堂舎の破損を申告した東大寺損色帳(東南院文書)に「中院」がみえる。

中院町は東中院とも称され、「大乗院雑事記」長禄元年(一四五七)一二月一三日条には竜花院りゆうげいん郷のうちに「東中院」がみえ、同四年閏九月二六日条にみえる正長元年(一四二八)の「領内間別銭事」には「東中院二十二間半」とあり、大永五年(一五二五)の御領内元興寺領地口銭帳(内閣文庫文書)によると、春日社田楽頭役方のため、二二軒に三七間半四尺分(一間につき三〇文)の地口銭がかけられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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