春日(読み)かすが

精選版 日本国語大辞典「春日」の解説

かすが【春日】

(「春日」の表記は、「かすが」の枕詞「はるひ(春日)」をあてたもの)
[一] 大和国春日郷のこと。現在の奈良市の中心部にあたる。
※書紀(720)武烈即位前・歌謡「はるひ 箇須我(カスガ)を過ぎ」
[三] 京都の市街東西に走る丸太町通の別
※国花万葉記(1697)一「京師九陌横豎小路 一条〈略〉椹木丁 春日(カスガ) 丸太丁」
[四] 東京都文京区南部の町名。江戸初期、春日局(かすがのつぼね)の屋敷があったため呼ばれた。
[五] 福岡県中西部の地名。鹿児島本線、西鉄大牟田線が通じる住宅都市。婿押祭(むこおしまつり)で知られる春日神社や日拝塚古墳がある。昭和四七年(一九七二市制

はる‐ひ【春日】

[1] 〘名〙 春の日。また、春の日の昼間。《季・春》
※万葉(8C後)五・八一八「春さればまづ咲く宿の梅の花ひとり見つつや波流比(ハルヒ)暮らさむ」
[2] 春の日がかすむ意で、「かすむ」と同音を含む地名「春日(かすが)」にかかる。はるひの。はるひを。
※書紀(720)武烈即位前・歌謡「播屡比(ハルヒ) 春日(かすが)を過ぎ」
[補注]地名「かすが」に「春日」の文字をあてるのは、「あすか」に「飛鳥」をあてるのと同様、この枕詞から転じたもの。

しゅん‐じつ【春日】

〘名〙 春の日。はるび。また、春の日ざし。《季・春》
※懐風藻(751)「春日翫鶯梅」 〔詩経‐豳風・七月〕

かすが【春日】

姓氏の一つ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「春日」の解説

春日
かすが

兵庫県中東部,丹波市東部の旧町域。由良川の支流竹田川上流域に位置する。丹波山地一角で,三方を山に囲まれた盆地状の地形をなし,東部は京都府に接する。 1955年黒井町と春日部村,大路村,国領村,船城村の4村が合体して春日町が成立。 2004年柏原町,氷上町,青垣町,山南町,市島町と合体して丹波市となった。地名は荘園時代からの名称。米作のほか野菜類の栽培なども行なわれ,名産の甲南漬の原料となるキュウリ,ナスも産する。北部黒井城跡は国の史跡。東部の山岳一帯は,多紀連山県立自然公園に属する。

春日
はるひ

愛知県北西部,清須市北部の旧町域。濃尾平野の南東部に位置する。1990年町制。2009年清須市に編入。地名は西春日井郡の 2字をとって命名された。近世から農業が盛んで,旧落合村に宮重大根発祥の地,宮重集落がある。かつては野菜栽培を中心とする農村であったが,名古屋市一宮市のほぼ中間にあって都市化が進んだ。1963年の国道22号線開通に伴い,自動車,ゴムなどの工場立地

春日
かすが

岐阜県南西部,揖斐川町南部の旧村域。伊吹山地東麓にある。 1889年村制。 2005年揖斐川町,谷汲村,久瀬村, 藤橋村,坂内村の5町村と合体して揖斐川町となった。大部分山地で,揖斐茶を特産伊吹山の北部にスキー場がある。一部は揖斐関ヶ原養老国定公園伊吹県立自然公園に属する。

春日
かすが

東京都文京区南部の地区山手台地に属する小石川台とこれを切る低地にまたがる文教・住宅地区。台地上は住宅や中央大学理工学部など,学校が多い。東端の低地には文京区役所,講道館などがある。地名は3代将軍徳川家光の乳母春日局屋敷地に由来する。

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デジタル大辞泉「春日」の解説

はる‐ひ【春日】

《「はるび」とも》
[名]春の日射し。また、春の一日。 春》「竹の風ひねもすさわぐ―かな/犀星
[枕]春の日が霞(かす)む意から、同音の「かす」を含む地名の「春日(かすが)」にかかる。
「―春日を過ぎ」〈武烈紀・歌謡

かすが【春日】

《「春日」の表記は、地名「かすが」にかかる枕詞「はるひ」を当てたもの》
奈良市およびその付近の称。特に、春日大社のあたり。
福岡県の市。福岡市の南に位置し、住宅地。自衛隊の春日原基地がある。人口10.7万(2010)。

しゅん‐じつ【春日】

春の日。はるび。また、春の日ざし。 春》「―を鉄骨のなかに見て帰る/誓子

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世界大百科事典 第2版「春日」の解説

かすが【春日】

現在の奈良市の春日大社から白毫寺(びやくごうじ)付近の歴史地名。古代において大和国添上郡春日郷の地名があり,また条里制の里名にも春日里,上春日里の呼称がみえる。このあたり一帯は,より古くは春日県(あがた)が置かれ,大和朝廷支配が早くから及んだ地域であった。《日本書紀》によれば,開化天皇の春日率川(いさがわ)宮が置かれたと伝える。なお,大和北部の豪族としては和珥(わに)(丸邇)氏があったが,その一族でこの地に蟠踞していたものは春日氏を名のった。

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