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[てんぷら屋の発達]
てんぷらが江戸の人気を博したのは屋台の食べ物として庶民に歓迎されたからで,天明(1781‐89)ころの黄表紙には点景としててんぷら屋台が登場する。それらの挿絵などからみると材料は串(くし)刺しにされることも多く,今日いう串揚げなどもてんぷらと呼ばれていたらしい。蜀山人の〈左に盃をあげ,右にてんぷらを杖つきて〉(《から誓文》)という一節も,当時のてんぷらの形状を裏書きしているといえよう。…
※「串揚げ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」