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予防原則 よぼうげんそく precautionary principle

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知恵蔵2015の解説

予防原則

環境破壊に伴う被害の重大性が科学的に完全には分かっていなくても、予防的に対策をとることが社会にとって耐えられないほど大きな費用にならないのであれば、予防対策を実施することは価値があり正当化されるという考え方。日本の公害経験からも明らかなように、環境破壊はしばしば不可逆的で絶対的な損失を伴う場合が少なくない。そのことを考えると、被害が確認されてから取り組む従来の対症療法的な環境政策ではなく、予防・予見的なアプローチが求められる。これまでの経験上取り返しのつかない重大な被害が起こりうる可能性があるが、それがいつどのようにどの程度の規模で生じるかという確実な知識を現代の科学が明らかにしえていない中で、この考え方を現実の意思決定過程に経済性との関連も含めて、いかに具体化していくかが課題となっている。特に、非分解性・有害性・生物学的蓄積性などの性質をもつ有害化学物質対策への適用が提唱されている。1992年のリオ宣言の原則15をはじめ、90年代以降多くの環境条約や国際文書に登場している考え方だが、国際法上の一般原則であるかどうかには意見の違いがある。

(植田和弘 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

よぼう‐げんそく〔ヨバウ‐〕【予防原則】

環境に深刻な回復不能な被害を及ぼすおそれがある場合には、因果関係が科学的に十分に証明されていなくても、すみやかに予防措置をとるべきであるとする考え方。予防措置原則

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
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大辞林 第三版の解説

よぼうげんそく【予防原則】

ある物質や技術が環境に深刻で回復不可能な損害を及ぼす可能性があるとき、因果関係が科学的に完全に立証されていなくても、効率より安全を優先して事前に規制のための政策や行動を起こすべきだという考え方。事前警戒原則。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

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