回復(読み)カイフク

  • recovery
  • かいふく〔クワイ〕
  • 回復/×恢復

デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
悪い状態になったものが、もとの状態に戻ること。また、もとの状態に戻すこと。「健康が―する」「ダイヤの乱れが―する」「疲労―」
一度失ったものを取り返すこと。「名誉を―する」「信用―」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

低温で冷間加工した金属材料は,硬さの増大電気伝導度低下,引張り強さの増大など諸性質が変化している。これを低温で加熱すると次第にもとに戻る。これは加工により内部に導入された欠陥原子拡散によって消散していく過程に相当し,回復と呼ばれる。回復の過程としては,まず点欠陥が消滅し,ついで点欠陥と転位との相互作用が進行する。この過程で転位は上昇運動や合体消滅によりエネルギー的に安定な状態へ再配列し,セル構造などが形成され,これは亜結晶粒となる。特に積層欠陥エネルギーの高い金属では,回復過程で転位の再配列が容易に進み材料は軟化する。また,回復は高温ほど著しく,再結晶温度に達すると上記の諸性質は急激に戻る。

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化学辞典 第2版の解説

低温度で冷間加工を受けた結晶は,温度が上昇すると物理的性質,機械的性質が変化し,加工前の状態に近づく.これを回復という.物理的性質は,冷間加工により発生した空孔格子間原子の運動に影響される.これらは低温度で容易に熱活性となるので,室温以下においても物理的性質の回復は起こる.機械的性質は,これら空孔や格子間原子に比較的影響を受けず,主として転位密度に依存し,おそらくジョグ密度にも依存するので,機械的性質の回復はこれら転位やジョグの消滅に関連し,室温以上のかなり高温で起こる.機械的性質のある程度の回復は,多くの金属において再結晶が開始する以前に起こる.冷間加工した鉄の硬さの25% は,金属顕微鏡検査で再結晶が認められる以前に回復する.硬さの低下とともに耐力,引張強さは低下し,靭性は増大する.しかし,機械的性質の回復はすべての金属について再結晶に先行するわけではなく,冷間加工したでは,再結晶以前に回復は認められない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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