二鹿大明神(読み)ふたしかだいみようじん

日本歴史地名大系 「二鹿大明神」の解説

二鹿大明神
ふたしかだいみようじん

[現在地名]岩国市大字二鹿 竹屋敷

二鹿のほぼ中央竹屋敷の河内たけやしきのこうち神社に合祀される。

この社には一身両頭の鹿にまつわる次のような伝説がある。「朱雀院御宇ニ比叡山ニ一身両頭ノ鹿住テ人畜ヲ損ジ、且、帝都ヲ侵サントス、故ニ梅津中将トイヘル人ニ詔シ給ヒ、彼鹿ヲ殺サセシム、中将兵ヲ率シ山ニ入テ狩セラレシカバ、彼鹿逃去リ、中将跡ヲ追テ、周防国角蔵すみくら滝トイヘル所ニ至ル、鹿ツカレテ偃息ス、中将弓ニテ射伏ス、中将モ精力尽テ此地ニ死セラレタリ、桃ケ垰トイヘル所ニ葬リ、塚ノ上ニ梅木ヲ植テ梅津氏ノ印トス、其後、鹿ノ遊魂人ヲ悩ス故ニ、鹿ノ角ヲ神体トシ、一身両頭ノ鹿ト中将ノ像ヲ彫刻シ、相殿ニ祭レリ、承平五年ニ社ヲ建立ス、中将ノ箙ヲ此神社ノ神宝トセリ」(享保増補村記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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