岩国市(読み)イワクニシ

デジタル大辞泉 「岩国市」の意味・読み・例文・類語

いわくに‐し〔いはくに‐〕【岩国市】

岩国

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日本歴史地名大系 「岩国市」の解説

岩国市
いわくにし

面積:二二〇・〇一平方キロ

山口県の東端、瀬戸内海に面し、市域の中央をにしき川が東流する。大部分は山地であるが、中心市街地が錦川下流の左岸に展開する。

岩国の初見は「万葉集」巻四に

<資料は省略されています>

とある磐国いわくに山で、「延喜式」(兵部省)に周防国駅馬に「石国」、「和名抄」に玖珂くが郡の郷名として「石国」が記される。なお岩国の文字を用いるものは、「吾妻鏡」文治三年(一一八七)三月一〇日条に「生虜平氏家人周防国住人岩国二郎兼秀、同三郎兼末等」とみえる。

〔原始〕

縄文時代の遺跡はまだ発見されていない。平田ひらた海土路みどろ藤生ふじゆう室の木むろのきなどに小規模な貝塚があるが、土器は出ない。漁民の小集落が散在する程度であったらしい。弥生時代の遺跡は、中期末のものが錦見にしみに、後期から古墳初期にかけてのものが錦見・土生はぶ上田うえだなどに認められ、集落のでき始めたことを示す。さらに古墳時代のものとして、門前もんぜん高塚古墳、錦見に横穴古墳が存在する。

〔古代・中世〕

古代の山陽道は、安芸国を抜けて周防国に入り、初めての駅家として石国駅が設けられた(「延喜式」兵部省)


岩国市
いわくにし

2006年3月20日:岩国市と玖珂郡美和町本郷村・錦町・美川町周東町玖珂町由宇町が合併
【美和町】山口県:玖珂郡
【本郷村】山口県:玖珂郡
【錦町】山口県:玖珂郡
【美川町】山口県:玖珂郡
【周東町】山口県:玖珂郡
【玖珂町】山口県:玖珂郡
【由宇町】山口県:玖珂郡
【岩国市】山口県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩国市」の意味・わかりやすい解説

岩国〔市〕
いわくに

山口県東部,広島湾に臨み,錦川流域にある市。南東沖の柱島諸島を含み,北東で広島県に,北西で島根県に接する。 1940年岩国町,麻里布町の2町と愛宕村川下村,灘村の3村が合体して市制施行。 1955年小瀬村,藤河村,御庄村,北河内村南河内村,師木野村,通津村の7村を編入。 2006年由宇町,玖珂町,本郷村,周東町,町,美川町,美和町の6町1村と合体。中心市街地は旧宿場集落で吉川氏 6万石の城下町として発展。大正末期以降レーヨン,パルプ,紡績工場などが進出。昭和 10年代に入り陸軍燃料廠,海軍航空隊が置かれたが,第2次世界大戦後アメリカ合衆国の空軍基地や石油工場に転用。大型タンカーの入港する岩国港があり,港周辺部は石油コンビナートを中心とする工業地帯を形成。内陸部の西岩国は商店街や旧城下町で,古い町並みや復元された天守閣,国指定名勝錦帯橋があり,観光客でにぎわう。山林が大部分を占め,林業が盛ん。米作やレンコンワサビなどの栽培も行なわれる。旧目加田家住宅,吉香神社の本殿などは国の重要文化財に指定。錦川河口付近には国指定天然記念物のシロヘビ生息地がある。南桑 (なぐわ) のカジカガエル生息地,根笠川北岸の岩屋観音窟も国指定天然記念物。岩国行波の神舞,周防祖生の柱松行事は国の重要無形民俗文化財に指定されている。柱島諸島の一部は瀬戸内海国立公園に,北部の寂地山付近は西中国山地国定公園に,羅漢山鬼ヶ城山などの周辺は羅漢山県立自然公園に属する。山陽新幹線が通り,JR山陽本線は岩国で岩徳線を分岐。錦川に沿って錦川鉄道が通じる。国道2号線,187号線,188号線,376号線,434号線,437号線が市内を縦横に走り,山陽自動車道のインターチェンジがある。面積 873.72km2。人口 12万9125(2020)。

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