五筆和尚(読み)ごひつわじょう

精選版 日本国語大辞典 「五筆和尚」の意味・読み・例文・類語

ごひつ‐わじょう‥ワジャウ【五筆和尚・五筆和上】

  1. ( 一度に五本の筆で字を書いたといわれるところから ) 弘法大師のこと。
    1. [初出の実例]「大師兼善草書法。昔左右手足及口秉筆成書。故唐朝謂之五筆和尚」(出典本朝神仙伝(1111頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の五筆和尚の言及

【空海】より

…大師が巡遊中に猟師にあい,高野山を教えられたとする説話(《修行縁起》)があり,延喜帝の夢想により観賢が高野山に入定した大師を拝すと,容色不変であったとする説話(《行状集記》)もあり,同様の説話は《高野山秘記》《高野物語》にもあって,《行状図画》や,《平家物語》にもとり入れられる。書に秀でた大師の説話には,唐の宮殿の壁に,手足口を用いて五筆で詩を書くなどしたので五筆和尚の号を得たとするものがあり,また,唐土で童子が空海に流水に字を書かせ,大師が龍の字を書くが,これに点を付すと真の龍となったとするもの(《修行縁起》)がある。これらの説話は,先の渡天説話とも結合して謡曲《渡唐空海》,舞曲《笛の巻》,説経《かるかや》などに流れ込み,物語化される。…

※「五筆和尚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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