日本大百科全書(ニッポニカ) 「亳州」の意味・わかりやすい解説
亳州
はくしゅう / ポーチョウ
中国、安徽(あんき)省北西端にある地級市。渦河(かが)の上流右岸に位置し、河南(かなん)省に隣接する。1市轄区、3県を管轄する(2016年時点)。人口610万2805(2010)。春秋時代には陳の譙邑(しょうゆう)といわれ、秦(しん)代に譙県が置かれ、北周時代に亳州の治所となり、明(みん)代に県が廃止され亳州に編入され、1912年県に改められた。1986年市制施行して亳州市となった。河南省南東部の肥沃な平原を背景に、農・畜産物の集散地として繁栄し、とくに皮革を多く産する。また、漢方薬の薬材であるシャクヤクや名酒として知られる「古井貢酒(こせいこうしゅ)」の産地である。自動車部品や石炭化学などの工場が立地する。
[林 和生・編集部 2017年7月19日]