倅・悴（読み）せがれ

精選版 日本国語大辞典

せがれ【倅・悴】

〘名〙

① 自分の息子をさしてへりくだっていう語。古くは男子・女子ともにさしていった。

※虎明本狂言・二人袴（室町末‐近世初）「是は此あたりに住居致者でござる。それがしせがれを一人もちてござあるが」

※浮世草子・日本永代蔵（1688）五「悴子(セガレ)が去年の手織嶋の袷に、せめて木綿入てと思ふさへ成がたきに」

② 子どもや年齢の若い者をさして卑しめていう語。男子をさすことが多いが、女子をいうこともある。

※信長公記（1598）一〇「いまだ十二・十三のせがれ二人、何れも男子にて」

※浄瑠璃・平家女護島（1719）一「ヤア、腹立ちやせがれめ。首きれとはたがいひし。年寄て色にふけると嘲たるしかた」

③ 陰茎の異称。

※歌舞伎・韓人漢文手管始（唐人殺し）（1789）一「あわれ不便と思し召、忰にお情を下さりませ、ト前を拓く」

④ 賭博で、三個の賽(さい)に、五・六・一の目が出ること。また、その目。

出典　精選版 日本国語大辞典