デジタル大辞泉 「全循環」の意味・読み・例文・類語 ぜん‐じゅんかん〔‐ジユンクワン〕【全循環】 湖沼などの閉鎖された水域環境において、冬季に表面の水が低温・高密度になって下降し、湖底の水と入れ替わる現象。この鉛直方向の循環によって、水域全体に酸素が供給される。冬季に湖の表面が十分に冷やされないと、この循環が遅れたり止まったりする場合がある。全層循環。→全循環湖 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
知恵蔵mini 「全循環」の解説 全循環 初冬から初春の湖沼において、表層の水が湖底の水と完全に混ざり合う現象。酸素を豊富に含む表層の水が冷やされて沈み込むことで対流が起こり、上下の水が入れ替ることによって、湖全体に酸素が供給される。1年に1回以上、全循環が発生する湖沼は「全循環湖」と呼ばれ、多くがこれに分類される。近年は世界の湖沼で温暖化による全循環の欠損や不全が見られ、深底部の低酸素化や無酸素化による生態系への悪影響が懸念されている。日本でも暖冬の年には琵琶湖の全循環に遅れが確認されており、湖底の低酸素化が危惧されている。 (2016-3-16) 出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報