コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

現象 げんしょう phenomenon

翻訳|phenomenon

5件 の用語解説(現象の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

現象
げんしょう
phenomenon

ギリシア語の phainomenonに由来し,「現れ」ないし「現れるもの」の意。ギリシアでは現象は感性的認識の対象と考えられ,ヘラクレイトスプラトンでは存在それ自体とは区別され,パルメニデスなどエレア派では消極的な形で存在自体と区別されたが,アリストテレスでは現象界とイデア界との二元論は否定され,一元論の立場が取られた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

げん‐しょう〔‐シヤウ〕【現象】

人間が知覚することのできるすべての物事。自然界や人間界に形をとって現れるもの。「不思議な現象が起こる」「一時的な現象」「自然現象
哲学で、
㋐本体・本質が外的に発現したもの。
カント哲学で、主観によって感性的に受容された内容が、時間・空間およびカテゴリーなどの主観にそなわる認識形式によって、総合的に統一されたもの。その背後にある物自体は不可知とされる。
フッサールの現象学で、意識に現前し、直接的に自らを現している事実。本体などの背後根拠との相関は想定しない。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

げんしょう【現象 phenomenon】

一般に事象がわれわれに対して現れている姿を言うが,この現象については古来対立する二つの考え方がある。一つは,時空間的に制約されることのない本体(noumenon)あるいは本質を想定し,それが時空界に現れた姿を現象と考える。カントの現象概念がその典型であり,彼は物のそれ自体における姿つまり物自体と,われわれの感性にとってのその現れつまり現象とを区別し,われわれ有限な人間には物自体は認識不可能であり(不可知論),認識可能なのは現象界だけだと考えた。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

げんしょう【現象】

人が感覚によってとらえることのできる一切の物事。自然界・人間界の出来事。現像。 「自然-」 「 -にとらわれる」
〘哲〙 感覚や意識にあらわれるもの。
〔phenomenon〕 (理性がとらえる「本体・本質」に対し)感覚のとらえる外面的・個別的なあらわれ。また,本体・本質が意識にあらわれた姿。
ドイツ Erscheinung〕 (その背後にある「物自体」に対し)カント哲学で,多様な感覚内容が認識の主観的形式によって規定されたもの。
ドイツ Phänomen〕 (背後にある「本体・物自体」を想定せずに)フッサールの現象学で,純粋意識に端的にたちあらわれる限りでの事象。 〔西周にしあまね訳「利学」(1877年)などで,哲学用語 phenomenon の訳語として用いられている〕

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

現象
げんしょう
PhnomenErscheinungドイツ語

形式的にはわれわれの意識主体に現れている事実一般をいう。しかし現れている「すがた」がどうとらえられるかによって、現象はさまざまな意味をもつ。
(1)知識の対象となるすべての経験的事実を意味し、自然現象、社会現象、心的現象などといわれる。
(2)「或(あ)るものの現れ」として、それが現れることによってそれ自身とは別のあるものを指示する。たとえば煙という現象は火を指示している。火の存在は「火の現れ」としての煙という現象を通して知ることができる。
(3)仮象としての現象。現象が本質と分離・対立させられ、現象は本質、真の実在を覆い隠すものとされる。現象のうちにはいかなる真理もないとされ、本質、真の実在は現象を通して((2)のように)ではなく、仮象としての現象を取り除くことによって認識される。
(4)カントにおける現象。現象と本質との区別という枠組みを前提し、しかし(3)と異なり本質そのものの認識は原理的に不可能であるとされる。カントにおいて人間が認識できるのは、直観形式である時間・空間とカテゴリーによって秩序づけられた現象のみである。現象は単なる仮象ではなく経験的実在である。物自体はけっして認識されえない。
(5)現象と本質との統一。ヘーゲルにおいて現象こそが本質を示すのであり、すべての本質は現象する。絶対者自身が現象することがヘーゲル哲学の根本をなしている。
(6)現象学における現象。ハイデッガーはギリシア語phainomenonに立ち返り、現象を「自己をそれ自身に即して示すもの」とした。現象はその背後にけっして現象とはならない本質を隠しているのではないが、現象がさしあたり隠蔽(いんぺい)されていることはありうる。現象学はその覆いを取り除き、現象を開示することをその課題とする。ハイデッガーにおいて、現象学の現象は存在者の存在であり、存在論は現象学としてのみ可能である。[細川亮一]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の現象の言及

【現象主義】より

…われわれの認識の対象は知覚的現れ,すなわち〈現象〉の範囲に限られるとする哲学的立場。ヒュームにおいて一つの明確な哲学的主張となって現れ,現代の経験主義に受け継がれている。…

※「現象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

現象の関連キーワード姉妹末遂ぐ八佾ひょっと残留孤児・婦人訴訟判決大相撲の番付岡山市議会の会派路線別の旅客数県内避難者震災避難者

今日のキーワード

パラリンピック

障害者スポーツ最高峰の大会。国際パラリンピック委員会(IPC : International Paralympic Committee)が主催している。もう1つのオリンピックという意味を表すparal...

続きを読む

コトバンク for iPhone

現象の関連情報