八端掛・八反掛（読み）はったんがけ

精選版 日本国語大辞典

はったん‐がけ【八端掛・八反掛】

〘名〙

① 絹織り物の一種。八丈絹の一つとして、八丈島から産出される。合わせ糸を二つに合わせてよったものを用いて、綾織りとしたもの。帯地などに用いられる。縦横八反分の長さに整えて織るところからこの名が生じたとも、一反の値が紬(つむぎ)の八反分に相当するところからこの名で呼ばれるともいう。八端八丈。八端。

※浮世草子・好色一代男（1682）八「中は紅鹿子のひっかへし、上は浅黄八丈の八端懸(タンガケ)召かへられける」

② 近世ごろ、仙台地方から織り出された絹糸織り。高級品として非常に珍重された。絹一反に要する糸の量、約五〇匁の八反分を一機で織ったところから、この名が生じたという。

出典　精選版 日本国語大辞典