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八丈島 はちじょうじま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

八丈島
はちじょうじま

東京都伊豆諸島にある火山島活火山で,常時観測火山伊豆七島中,大島に次ぐ大きさで八丈町に属する。最高点は北西部の円錐形複式火山西山(854m)で,八丈富士とも呼ばれる。東部の東山(別称三原山。701m)には無線中継所がある。東山の噴火活動は停止しているが,西山では長享1(1487)年以降数回の噴火記録がある。両山の中間低地は開発が進み,飛行場がある。亜熱帯気候で,年平均気温 18℃前後,年降水量 3000mm前後。八丈島空港の西側,溶岩原の自然林の中に,タコノキ,フェニックス,ゴムノキなどの亜熱帯性植物が茂る都立八丈植物公園がある。三原山の西麓斜面にあるヘゴ木生シダ)自生北限地帯は国の天然記念物に指定されている。観賞用植物の栽培や漁業が行なわれる。黄八丈は特産。海岸は絶壁が多く交通不便であるが,観光開発が盛んで,東京から航路や航空路がある。富士箱根伊豆国立公園に属する。面積 69.48km2。人口 9488(2000)。

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デジタル大辞泉の解説

はちじょう‐じま〔ハチヂヤウ‐〕【八丈島】

伊豆七島の一。東京都八丈支庁に属し、火山島。八丈絹を特産し、園芸用の熱帯植物の栽培も盛ん。明治初年まで流刑地とされていた。面積68.3平方キロメートル。

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百科事典マイペディアの解説

八丈島【はちじょうじま】

伊豆諸島の一島。伊豆七島の最南にあたり,東京都八丈町をなす。北西部に西山(八丈富士,最高点で854m),南東部に東山(三原山)の2火山(いずれも活火山)をもつ火山島で,両火山の中部に低地があり水田がひらける。古代には優婆夷宝明神社が祀られ,中世には奥山宗林が支配していたとされる。室町期には黄八丈・八丈物として本州島に知られていた。近世には流罪地で,宇喜多秀家などが流された。
→関連項目八丈実記富士箱根伊豆国立公園

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世界大百科事典 第2版の解説

はちじょうじま【八丈島】

伊豆諸島南部の島。面積68km2,人口9476(1995)。西約4kmにある無人の八丈小島とともに東京都八丈支庁八丈町に属する。八丈島は北西部の西山(八丈富士。854m)と南東部の東山(三原山。701m)の両火山とその間の中央低地からなる。東山は古い火山体で先カルデラ成層火山とそのカルデラ内にできた後カルデラ成層火山からなるが,噴火の記録はなく浸食もすすんでいる。西山は東山の活動終了後,完新世に入って活動が始まったと考えられ,15~17世紀に活動の記録がある。

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大辞林 第三版の解説

はちじょうじま【八丈島】

伊豆諸島南部の火山島。東京都に属する。面積約69平方キロメートル。亜熱帯性気候で、園芸農業が盛ん。古くは流刑地だった。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔東京都〕八丈島(はちじょうじま)


伊豆(いず)諸島南部、東京の南方約280kmにある島。面積69.5km2。無人の八丈小島とともに東京都八丈町をなす。伊豆諸島の最高峰西(にし)山(八丈富士、標高854m)と三原(みはら)山(東(ひがし)山)を中心とする火山島。富士箱根(ふじはこね)伊豆国立公園に属し、亜熱帯性の気候から海洋レジャー基地として観光客の人気が高い。牛角力(うしずもう)をはじめとする民俗芸能や、江戸時代の流刑者の史跡がある。東京から航空便・定期船便がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

八丈島
はちじょうじま

東京都八丈支庁に属し、西約4キロメートル(以下、キロと略す)の八丈小島(無人)とともに八丈町をなす。東京の南約290キロで、伊豆諸島南部にある火山島。同諸島では大島に次いで大きい。北西の西山、南東の東山の両火山が接合したひょうたん形で、長軸約14キロ、周囲約59キロ、面積69.52平方キロ、人口8318(2009)。富士箱根伊豆国立公園に含まれ、亜熱帯気候の南国情緒豊かな観光地である。
 東山(701メートル)は三原山ともよばれ、径約4キロの円形のカルデラをもつ多重式複成火山である。先カルデラ火山も後カルデラ火山も玄武岩、安山岩の成層火山で、後者の山頂火口内や山腹には噴石丘がある。東山は噴火記録がなく、開析が進んでおり、その活動は更新世(洪積世)らしい。西山(854メートル)は八丈富士ともよばれ、伊豆諸島中の最高峰で、広い裾野(すその)を引く玄武岩の成層・円錐(えんすい)火山である。完新世(沖積世)に生まれた二重式の活火山で、径約400メートルの山頂火口内に小火口丘がある。1487年(長享1)を皮切りに、1605年(慶長10)までに5回の噴火記録があり、山頂、山腹や付近海底からも噴火した。東山と西山の中間は、なだらかな傾斜地ないし平坦(へいたん)地であるが、東山の沿岸と西山の北西側沿岸は急崖(きゅうがい)をなしている。東山は山々が重複し、谷が深く、表土が厚いために水に恵まれ、随所に水源があり、飲料水、灌漑(かんがい)用水、発電用水に利用され、伊豆諸島中ここだけに水田がある。東山を囲み、坂下とよばれる北側低地の三根(みつね)、大賀郷(おおがごう)、坂上とよばれる南側山手の樫立(かしだて)、中之郷(なかのごう)、末吉(すえよし)の諸集落が湧水(ゆうすい)地に立地している。気候は高温多湿の亜熱帯性で、年平均気温17.8℃、最低気温10.1℃(1月)、降水量は年3202.4ミリメートルもあり(1981~2010年の平均値)、植物がよく繁茂し、島の約80%がシイ、サカキ、ツバキ、タブなどの常緑樹で覆われている。
 鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも)(源為朝)の伝説にちなみ、八郎島とよばれたのが地名の由来という。防風用の高い玉石垣、高床式の穀物庫(高倉)、急傾斜のかや葺(ぶ)き屋根、宇喜多秀家(うきたひでいえ)などの流人の墓石、漂流者の無縁塚など、島の歴史を物語る景観が随所に残されている。古くから太平洋漁業の基地で、付近にもカツオ、トビウオなどの好漁場がある。港湾は乏しいが、東に神湊(かみみなと)、西に八重根(やえね)の両港があり、離島振興法で整備されており、東京の竹芝桟橋から定期船が就航している。また、西山の南東麓(なんとうろく)の八丈島空港へも、羽田空港から多数の観光客が定期便で来遊する。綜嶼(いとしま)、女護(にょご)島、八丈島などの呼称にちなむ生糸、絹、黄八丈(きはちじょう)の生産地として知られる。また、米、麦、サツマイモなどの自給作物のほか、近年、観葉植物、球根類を主とする熱帯園芸作物栽培も盛んで、フェニックス、フリージア、パイナップル、ゴム、そのほか香料植物など多彩で、移出されている。舗装道路、温泉ボーリング、ホテル建設、観光植物園造成など、観光開発が進んでおり、類似点の多いアメリカ、ハワイ州のマウイ島と姉妹島になっている。牛角力(うしずもう)、樫立踊(国選択無形民俗文化財)、太鼓(たいこ)ばやしなどの民俗芸能や、東京都文化財に指定されている島役所跡、服部屋敷(樫立踊実演)、長戸路(ながとろ)屋敷(古文書所蔵)などの史跡や旧跡も多い。
 なお、幕末の流人近藤富蔵著『八丈実記』69巻は、島の生活、風俗を伝える貴重な記録である。[菊池万雄・諏訪 彰]
『近藤富蔵著『八丈実記』全7巻(1964~1976・緑地社) ▽『八丈島誌』(1973・八丈町) ▽『伊豆諸島・小笠原諸島』(1984・東京都島嶼町村会)』

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世界大百科事典内の八丈島の言及

【源為朝】より

…島人からその島が鬼ヶ島であり,昔は隠れ簑,隠れ笠,浮き沓(くつ),沈み沓などの宝があり,日ごとに人を食らい,生贄(いけにえ)をとったと聞く。為朝はこの島を八丈島の脇島(付属島)と決め,葦島(あしじま)と改名する。また大島では,島の代官三郎太夫忠重(忠光とも)の婿となり為頼など2男1女をもうけた,などとも伝える。…

※「八丈島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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