…明治時代になると,文明開化政策の一環として,1870年(明治3)に華族の染歯が禁止され,ついで73年には皇太后が率先して鉄漿をやめたところから,民間の慣習もしだいに消滅した。ただし,その後も成女式や婚礼前後に初めて鉄漿付けをする初鉄漿(はつがね)の慣習は明治10年代ころまで,また既婚女性の場合は昭和初期に至るまで,鉄漿付けをしていた例もある。 伝承によると,初鉄漿の時期は婚礼の直前直後とか3日目の里帰りのおりなど,やはり婚礼時が多い。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」