女子(読み)オナゴ

デジタル大辞泉 「女子」の意味・読み・例文・類語

おな‐ご〔をな‐〕【女子】

《「おんなご」の音変化》
女。女性
女の子供。女の子。
女中下女
高島屋の―に呼びかけられて」〈浮・一代男・七〉
[補説]現在、多く東北地方や関西で使われる。
[類語]少女女性女子婦女婦女子おみなたおやめあま女史婦人女人じょじん・にょにんウーマン女の子小娘童女どうじょ乙女おとめ乙女子おとめごガールギャルコギャルヤングミセスヤンママお嬢さん早乙女生娘おぼこ処女女児子女

じょ‐し〔ヂヨ‐〕【女子】

おんなのこ。むすめ。⇔男子
女性。おんな。「女子学生」「女子ゴルフ」⇔男子
[類語](1女の子女児少女乙女子女ガールギャル小娘童女どうじょ乙女子おとめご女子おなごコギャルヤングミセスヤンママお嬢さん早乙女生娘おぼこ処女/(2女性婦人婦女婦女子ウーマンあまおなご女史

おんな‐ご〔をんな‐〕【女子】

女児。息女
「京にてうまれたりし―」〈土佐
若い女性。女。おなご。
「―ども呼びて床をとらせ」〈浮・諸艶大鑑・五〉

にょ‐し【女子】

じょし」に同じ。
「恋愛にうみたるあくびは―の天性」〈独歩・牛肉と馬鈴薯

め‐な‐ご【女子/女児】

おんなの子。娘。
かみに姉、下京に妹をもってござる。両方に―がござる」〈狂言記粟田口

め‐こ【女子】

女の子。じょし。
「さべき人の―、皆宮仕へに出ではてぬ」〈栄花・つぼみ花〉

おみな‐ご〔をみな‐〕【女子】

《古くは「おみなこ」》女児。また、一般に女性のこと。
「遂に―を生めり」〈雄略紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「女子」の意味・読み・例文・類語

おな‐ごをな‥【女子・女】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おんなご(女子)」の変化した語 )
  2. 女の子供。おんなのこ。女児。
    1. [初出の実例]「童男(どうなん)(〈注〉おのこご)・童女(ドウニョ)(〈注〉オナコ)の身をもて得度すへきものには」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)八)
  3. おんな。婦人。女性。
    1. [初出の実例]「鄭の国のをなこみこが壺子にまみえたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一二)
    2. 「第一おなごのたしなみは殿御(とのご)もってが大事ぞや」(出典:浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)中)
  4. 召し使いの女。下女。下婢。
    1. [初出の実例]「高島屋の女子(オナゴ)に呼懸られて、何の用かと見かへれば」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)
  5. ( 大黒舞数え歌の文句「五ついつもの如くに」とある「如」の偏「女」を符丁に使ったもの ) 明治時代、呉服商人の間で五の数を表わすのに用いた隠語。ごとく。→大黒符牒(だいこくふちょう)

女子の語誌

女性の一般称は現在オンナであるが、オンナとオナゴの新古関係については、文献や語源からすると、オンナやその原形としてのオミナの方が古く奈良時代から見られ、オンナゴから転じたオナゴの形は室町時代から現われる。後から生まれたオナゴが、その後勢力を拡大してオンナを圧倒していった。しかし、現在では逆にオンナが共通語形になり、オナゴは全国的に女性の卑称として残るという傾向が見られる。


じょ‐しヂョ‥【女子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おんなのこ。むすめ。にょし。
    1. [初出の実例]「彼女子は針仕事を能く致しますか。彼れは針仕事を上手に致します」(出典:小学教授書(1873)〈文部省〉)
    2. 「雛すゑて天下の女子や春を知る」(出典:妻木(1904‐06)〈松瀬青々〉春)
    3. [その他の文献]〔詩経‐邶風・泉水〕
  3. おんな。婦人。婦女。女性。
    1. [初出の実例]「女子の寄書あらんことを憚り」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一〇)
    2. 「男子にのみ鬚髯(ひげ)があって女子(ヂョシ)に其鬚髯が無いのは如何いふワケであるか」(出典:面白半分(1917)〈宮武外骨〉女に口髯なき理由)
    3. [その他の文献]〔詩経‐鄘風・載馳〕

め‐の‐こ【女子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. おんな。おみな。⇔男子(おのこ)
    1. [初出の実例]「女(メノコ)年に当りて績(をう)まざること有るは」(出典:日本書紀(720)継体元年三月(前田本訓))
  3. おんなの子ども。⇔男子(おのこ)
    1. [初出の実例]「男(をとこ)(メノコ)を呼(よ)ひて王子(みこ)と曰ふ」(出典:日本書紀(720)皇極三年一一月(岩崎本院政期訓))
    2. 「めの子はははにつく者也」(出典:読本・春雨物語(1808)宮本が塚)

おんな‐ごをんな‥【女子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 女の子供。幼女。女児。息女。⇔男子子(おのこご)
    1. [初出の実例]「京にて生まれたりしをんなご、国にて、にはかにうせにしかば」(出典:土左日記(935頃)承平四年一二月二七日)
  3. 若い女性。女子。また、婦人。女。⇔男子子(おのこご)
    1. [初出の実例]「南印度に女(ヲムナコ)有り。隣国に娉せらる」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)四)

にょ‐し【女子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 女の子。むすめ。また、女性。じょし。
    1. [初出の実例]「はかせのうちつづきにょしうませたる」(出典:春曙抄本枕(10C終)二五)
  3. ( 「女姿」とも書く ) 和船の船首材、水押(みよし)の別称。
    1. [初出の実例]「乗方悪敷候に付、女子みしかくして航延申事也」(出典:鯨船飛脚船艀共寸法帳(1751‐64))

めっ‐こ【女子】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「めこ(女子)」の変化した語 ) 若い女性。めこ。
    1. [初出の実例]「女々(めめ)しきことを申す奴、承諾いたさん〈略〉女子(メッコ)は嫌ひぢゃ」(出典:落語・御船の戦争(1899)〈六代目桂文治〉)

おみな‐ごをみな‥【女子】

  1. 〘 名詞 〙 女児。また、一般に女性のこと。
    1. [初出の実例]「麗(かほよ)きかな、女子(ヲミナコ)」(出典:日本書紀(720)雄略元年三月(図書寮本訓))

なご【女子】

  1. 〘 名詞 〙 女。娘。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「女子」の読み・字形・画数・意味

【女子】じよ(ぢよ)し

むすめ。〔礼記、曲礼上〕女子、許嫁して纓(えい)すれば、大故るに非ざれば、其の門に入らず、~已に嫁して反(かへ)れば、兄弟與(とも)に席を同じうして坐せず。

字通「女」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android