刻画(読み)こくかく(くわく)

普及版 字通 「刻画」の読み・字形・画数・意味

【刻画】こくかく(くわく)

きざむ。苦心して作る。宋・軾〔欧陽少師(脩)、畜(たくは)ふる所の石を賦せしむ〕詩 (上に万歳不老の孤松有り)崖(がけ)(たに)え、むべきも至るべからず 日、相ひ溟(めいもう)たり 風を含んで偃蹇(えんけん)(横たわる)眞態を得たり 畫始めて信ず、天に工るを

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の刻画の言及

【漆工芸】より

…その多くは朱と黒の2種類の漆を用い,それらを巧みに塗りわけ,もしくは朱漆で文様を描いたものであるが,なかには黄,緑,青などの彩漆を用いてていねいにつくりあげた鮮やかな作品もみられる。そのほか,この時期に流行した特殊な技法に刻画がある。漆塗りの地に文様を針刻してあらわすこの手法は,おおむね前漢後期から後漢初めにかけて集中的に行われたようである。…

【南宗画】より

…彼らはみずからを文人画の本流に棹さすものと自負し,その立場から当時の万暦画壇を批判し,独自の絵画史観を展開した。南宗画の基本的な立場は,刻画(細かく輪郭づけて描く)よりも渲染(せんせん)(水墨でぼかす),行家(こうか)(くろうとで匠気をもつ)よりも利家(りか)(しろうとで士気をもつ)というもので,様式的には細密巧緻で濃厚豊麗なものより,簡略粗放で軽淡清雅をよしとし,精神的には技巧に基づく客観主義より文人的教養を伴った人格表現を重視した。 南宗画という命名の由来は,当時流行の禅宗趣味(董其昌はかなり禅学に没頭している)から,五祖弘忍(ぐにん)の後が,神秀(じんしゆう)の北宗禅の漸修と,慧能(えのう)の南宗禅の頓悟とに分かれ,慧能が六祖を継いでから簡略を旨とする南宗禅が栄えたことになぞらえて,画にも北宗,南宗の別があるとし,その起源も禅宗と同じく唐にまでさかのぼり,北宗は細密な輪郭線によって着色山水を描く李思訓に始まり,南宗は渲淡によって李思訓らの鉤斫(こうしやく)(輪郭でくくる)の法を一変した王維に始まり,画でも禅の頓悟に比せられる南宗画が栄えたという。…

※「刻画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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