日本歴史地名大系 「千島国各郡村誌」の解説
千島国各郡村誌(郡村誌)
ちしまこくかくぐんそんし
二六丁 稿本 北海道大学附属図書館
解説 本書は一二行罫紙に細字の毛筆で書かれているが、筆者も時代も不明。強いて推定すれば、明治一五―三八年頃のもの。構成上も未完成であるが、この頃しきりに行われた千島調査旅行の際に知り得たことを記録したものか。まとまった郡村誌のないこの地域で、列島南部に限られてはいるが、一定の基準の下に記された地誌的事項は貴重。泊・東沸・留夜別各村の字地の項では、詳しいアイヌ語地名の解説がある。
構成 千島国国後郡(疆域・幅員・管轄沿革・里程・地勢・地味・山川・湖沼・港湾・古跡・村数・社・寺・学校・病院の各項記述。以下同様)、千島国国後郡泊村(疆域・管轄沿革・里程・地勢・地味・字地・山・川・沼ノ川・湖沼・港湾・山林・出崎・墳墓・神社・寺・学校・物産・民業・気候・橋梁・風俗・戸数・人員)。以下、国後郡東沸村、同留夜別村、同秩苅別村、千島国振別郡(振別・老門二村。村別記述なし)の各村・郡よりなる。国後郡と同泊村以外は項目も少なく記述も簡単。国後郡は千島列島国後島の全体であるが、振別郡は択捉島内四郡の一つである。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報