卵形嚢(読み)らんけいのう(その他表記)utriculus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「卵形嚢」の意味・わかりやすい解説

卵形嚢
らんけいのう
utriculus

球形嚢とともに内耳膜迷路の中央位置し,互いに連嚢管で連絡している。卵形嚢は径5~6mmで,その内面に卵形嚢斑があり,球形嚢は径2~3mmで,その前外側壁に球形嚢斑がある。これらの斑は内面に感覚上皮があるため厚くなっており,合せて平衡斑と呼ばれ,位置の感覚を司る。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の卵形嚢の言及

【耳】より

…内耳は刺激を受容する中心的部分で,最も奥深く位置し,進化的にみて最も由来が古く,すべての脊椎動物が例外なく備えるものである。内耳の実質をなすのは〈迷路〉と呼ばれる複雑な囊状の構造で,これは動物のグループによってかなり異なるが,一般的には〈卵形囊〉とそれに付属した半円形の管である〈半規管〉,および〈球形囊〉とそれから伸びた〈蝸牛(かぎゆう)管〉という4部の中空の小囊から成る(ただし下等脊椎動物は蝸牛管をもたない)。卵形囊と球形囊は内耳の中心部をなし,これらをあわせて〈前庭〉という。…

※「卵形嚢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android