叱ぶ(読み)いさぶ

精選版 日本国語大辞典 「叱ぶ」の意味・読み・例文・類語

いさ・ぶ【叱】

  1. 〘 他動詞 バ四段活用 〙 しかる。とがめる。非難する。
    1. [初出の実例]「金剛力士、瞋りの目をもちて之を比(叱)(イサヒ)き」(出典:大智度論平安初期点(850頃か)一四)
    2. 「まして人を叱(イサ)ひ給ふにも、あらあらしきことのたまひし事は聞かず」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)上)

叱ぶの語誌

( 1 )平安時代の訓点資料に散見し、和文に見出し難い語。和文には「いさむ(諫)」が用いられ、これとの音韻交替で成立した語と推定される。
( 2 )院政期に「イサフ」と清音に発音されるようになり、ハ行転呼によって「イサウ」、室町時代末期からは合音化して「イソウ」と変化したものと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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