音韻交替(読み)オンインコウタイ(その他表記)alternation

翻訳|alternation

デジタル大辞泉 「音韻交替」の意味・読み・例文・類語

おんいん‐こうたい〔オンヰンカウタイ〕【音韻交替】

語の中のある音が、文法的な機能や派生的な意味の違いに応じて他の音と交替する現象。例えば、「脚」の意の英語foot(単数形)とfeet(複数形)の母音部にみられる交替など。

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精選版 日本国語大辞典 「音韻交替」の意味・読み・例文・類語

おんいん‐こうたいオンヰンカウタイ【音韻交替】

  1. 〘 名詞 〙 文法的機能を損わない範囲で、ある語中のある音素が他の音素と互いに交替すること。印欧語、アラビア語等の母音交替ほか日本語連濁(語が複合するとき、後に続く語の頭音が濁音化する)現象が例としてあげられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「音韻交替」の意味・わかりやすい解説

音韻交替
おんいんこうたい
alternation

語源的につながりのある形態素において,それらを構成している音韻が共時的に一定の替り方を示すこと。これらは,それぞれ同一の音韻であったものが環境に応じて異なる変化をして生じたものと考えられる。代表的なのはインド=ヨーロッパ語にみられる母音交替 (アプラウト) で,英語の sing~sang~sung~songはその反映である。これと性格は異なるが,日本語の'ame (雨) ~'ama'asi (雨足) ,me (目) ~manako (眼) などの母音交替,taru (樽) ~sakadaru (酒樽) ,hito (人) ~hitobito (人々) などの連濁と呼ばれる子音交替,siro˥'i (白い) ~ si˥roku (白く) ,niŋe ˥ ru (逃げる) ~ni ˥ ŋeta (逃げた) などのアクセント交替なども音韻交替の一種である。

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