和文(読み)ワブン

デジタル大辞泉 「和文」の意味・読み・例文・類語

わ‐ぶん【和文】

日本語で書かれた文章。日本語の文。国文邦文
和語を主とし、特に平仮名を用いて書かれた文章。平安時代和歌物語日記などにみられる文章。
[類語](1邦文国文

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精選版 日本国語大辞典 「和文」の意味・読み・例文・類語

わ‐ぶん【和文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 日本語で書かれた文章。日本語でつづった文章。日本文。国文。邦文。
    1. [初出の実例]「源氏伝以後、何其無之者也、和文既有左氏荘周司馬遷之文、安得唐宋八家之文哉」(出典:琴後集(1810)序)
  3. やまとことばで書きしるした文章。平安時代の仮名文の系統に属するみやびやかな文章。漢文のほか、漢文訓読文和漢混淆文、候文などに対するもので、漢語をあまり用いない文章。雅文
    1. [初出の実例]「をのれが学問をひろひ出し、和文(ワブン)にいらざる聖賢の語を沢山に引あつめ」(出典:浮世草子・元祿大平記(1702)一)
  4. 日本の文字。国字。特に、仮名をさす。

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世界大百科事典(旧版)内の和文の言及

【擬古文】より

…雅文,和文ともいう。明治時代から擬古文とよぶようになった。…

【文語体】より

…文語体は,さらに多くの種類にわかれる。和文,和歌の文,宣命(せんみよう)体,漢文訓読文,和漢混淆(こんこう)文,変体漢文,普通文など。これらのうち,和文以下変体漢文までは,平安時代にすでにその形が整っており,以後現代にまで引き続き行われたものである。…

【和漢混淆文】より

…日本の文語体の文章様式の一つ。和文,漢文の両方の特色を合わせた文章。漢文や漢文の読下し文や和文と対立するもの。…

※「和文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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