デジタル大辞泉
「金剛力士」の意味・読み・例文・類語
こんごう‐りきし〔コンガウ‐〕【金剛力士】
《〈梵〉Vajra-pāṇiの訳》金剛杵を持って仏法を守護する神。大力をもって悪魔を降伏する。寺門の左右に置かれる。門の向かって右を密迹金剛、左を那羅延金剛という。仁王。金剛手。金剛神。
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こんごう‐りきしコンガウ‥【金剛力士】
- 〘 名詞 〙 =こんごうしゅ(金剛手)
- [初出の実例]「門五口 仏門二口之中一口在金剛力士」(出典:法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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金剛力士
こんごうりきし
外敵を払い,仏法を守護する神。二王(仁王),執金剛神,金剛神などともいう。寺院の門,須弥壇の左右に安置され,手に金剛杵を持ち,忿怒相に表現される(→忿怒形)。開口像を阿形(あぎょう),閉口像を吽形(うんぎょう)という。2体の金剛力士を金剛像と力士像,または密迹力士像(みっしゃくりきしぞう)と金剛力士像に分ける説(二王〈仁王〉)があるが,元来金剛力士を区別することはできない。現存の遺品では持ち物として金剛杵をとるもの,金剛杵をとらず五指を開いているものがある。最古のものとしては奈良県桜井市の長谷寺にある銅板法華説相図(国宝)の像がある。ほかにそれぞれ国宝に指定されている,奈良市の東大寺法華堂(三月堂)にある乾漆金剛力士立像(奈良時代。→天平彫刻),同寺南大門の運慶,快慶らの手による木造金剛力士立像(鎌倉時代)などがある。
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金剛力士
仏の説いた教えを守る神で、仁王[におう]とも言います。いかめしい表情をしており、来る者を威圧しています。
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の金剛力士の言及
【天部】より
…単独で信仰された天部像には,インド古代神話の著名な神々である[吉祥天],[弁才天],[摩利支天],[大黒天],[聖天](しようてん),さらに訶梨帝母(かりていも)([鬼子母神])や[韋駄天]などがある。また,金剛力士や深沙大将(じんじやたいしよう)などの護法善神も天部に加えている。このうち中国から日本に至る地域で造られた四天王,十二神将の像は甲冑を着る武将像が多く,八部衆像の大部分も武将像であり,金剛力士や深沙大将は上半身裸形の力士形である。…
【仁王】より
…2像を区別するとき口を開ける像を阿形(あぎよう)の像,口を結ぶ像を吽形(うんぎよう)の像という。また各像の名称について,一方を金剛力士,他方を密迹金剛(みつしやくこんごう)とする説,一方を密迹金剛,他方を那羅延(ならえん)とする説,一方を金剛,他方を力士とする説,両方とも金剛力士と呼ぶ説など諸説があるが,どの説も優勢となるには至っていない。仁王は神聖な寺域の正式の入口の左右に,門衛のように安置される2尊であるから〈二王〉の呼称も生まれたが,仏法守護に2神を配置することは中国において盛んに行われたと推測されている。…
※「金剛力士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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