朝日日本歴史人物事典 「向井将監」の解説
向井将監
生年:天正10(1582)
江戸前期の旗本,幕府の船手頭。諱は忠勝。関ケ原の戦では水軍を率いて西進したが,決戦には間に合わなかった。大坂の陣でも九鬼守隆,千賀与八郎らと共に大坂湾を押さえ,大坂方の水軍や堺に進出した大坂勢と合戦におよび,敵船の捕獲,負傷など軍功があった。逐次加増され6000石を領し,将軍徳川秀忠や家光の御座船をたびたび指揮した。寛永9(1632)年伊豆国で安宅船を造ってそれを預かり,翌年6月,家光が座乗して天下丸と名付ける。向井家は代々将監を名乗り船手頭を世襲し,将軍御座船の指揮をとった。この天下丸は財政難から天和2(1682)年に孫の向井将監正盛らによって破却された。
(針谷武志)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報