普及版 字通 「咥」の読み・字形・画数・意味
咥
9画
[字訓] わらう・かむ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は至(し)。至に姪・(てつ)の声がある。咥は他にキ・キツ・チツ・シ・チのような音があり、みな笑的に笑うときの声である。〔詩、衛風、氓〕に「兄弟知らず 咥として其れ笑はん」というのは、男に欺かれて棄てられた女を、その兄弟たちが罵り笑う意である。(きゃく)・唏(き)なども、笑声を形容する語で、声義が相近い。
[訓義]
1. わらう、大いにわらう。
2. あざけりわらう。
3. 舌うちする、唇をかむ。
4. かむ、堅いものをかむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕咥 ワラフ/咥咥然 ―トヲカシ 〔立〕咥 ハナヒル・ワラフ
[語系]
咥thiet、啜thjiuatは声義近く、咥は笑的に舌うちし、啜(てつ)は舌うちして嘆き、すすり泣きするをいう。
[熟語]
咥噬▶・咥然▶・咥咥▶
[下接語]
訶咥
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報