六訂版 家庭医学大全科 「喘息発作の対応」の解説
喘息発作の対応
(呼吸器の病気)
喘息の患者さんには、症状のごく軽い人から重症の人までいますので、診断、治療、予防について一般的に説明するのは難しい疾患といえます。重症の人や心配症の人は、定期的に受診するので問題はあまり起こりませんが、軽症の人やあまり受診をしない人では病態が急変する可能性があります。
喘息の治療のポイントは、自己管理をして生活の質(QOL)をよくすることです。したがって、喘息の症状が出ない程度に治療を十分に行うことが重要です。症状がほとんどない人でも、かぜの時や季節の変わり目に喘息が引き起こされることがあります。この場合、すぐに症状に対応できることが重要です。そのためには、喘息治療薬の使い分けを知っておかなければなりません。
つまり、①症状が出たら気管支拡張薬であるβ2刺激薬吸入剤をすぐに使用すること、②軽い喘息症状が1週間に1回以上あれば、ステロイド薬の吸入薬を開始して喘息を予防すること、の2点を最低限守らなくてはなりません。2009年のガイドラインでは、喘息症状が週1回未満でも吸入ステロイド薬の選択が第一とすすめられています。もし、ステロイド薬を吸入している患者さんが強い発作を起こした場合は、経口ステロイド薬(1日4~6錠)を約1週間にわたり内服すると症状が安定します。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報