日本歴史地名大系 「地誌備考」の解説
地誌備考
ちしびこう
三一冊 伊地知季通編
原本 東京大学史料編纂所蔵旧島津家蔵本
解説 鹿児島県は明治一五―一七年にかけて「鹿児島県地誌」を編纂したが、その際の参考史料を集成したものが「地誌備考」とみられ、鹿児島県立図書館に稿本一六冊、尚古集成館に日置郡分の稿本二冊がある。季通の筆が各所にみられ、深く作成に関与していたことが知られる。その後も明治三〇年頃まで増補に努め浄写されたものが表題のものであろう。内容は薩摩・大隅両国の郡ごとに郡・村の管轄沿革を記し、諸家系図・古文書類をはじめ記録・地誌など広範囲の文献から史料を抄記収載している。末尾に日向地誌備考追録として五冊諸県郡の関係史料が収録されている。各市町村史作成の際に基本史料として利用されることが多い。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報