坂口郷(読み)さくちごう

日本歴史地名大系 「坂口郷」の解説

坂口郷
さくちごう

坂口さかぐち坂部さかべ辺りに所在した中世の郷。応安四年(一三七一)五月二三日刊行の大方等大集月蔵経(岩崎文庫蔵)の巻五の版心に同経刊行の助縁者として「遠州坂口郷衆」とみえる。また現山梨県塩山市の放光ほうこう寺が所蔵する嘉慶二年(一三八八)一二月一〇日に書写された大般若経巻二二〇の奥書には「初倉庄坂口」とあり、当郷中里なかざとの甕谷寺で書写された。明徳三年(一三九二)一〇月九日、将軍足利義満は遠江守護今川仲秋の申請により坂口郷内坂口山などを京都南禅寺に寄進している(「足利義満御判御教書案」南禅寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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