塗立(読み)ぬりたてる

精選版 日本国語大辞典 「塗立」の意味・読み・例文・類語

ぬり‐た・てる【塗立】

〘他タ下一〙 ぬりた・つ 〘他タ下二〙
① 十分に塗る。きれいに塗り飾る。また、さかんに塗る。
※栄花(1028‐92頃)布引の滝「御堂のけ高うものものしきが新しう赤くぬりたてられたるに」
太閤記(1625)七「漆膠にてぬり立候へば」
白粉や紅などをやたらに塗る。厚化粧をする。
野分(1907)〈夏目漱石〉九「真白に顔を塗(ヌ)りたてた女が」

ぬり‐たて【塗立】

〘名〙
① 塗ったばかりであること。塗って間のないこと。
※俳諧・俳諧古選(1763)一「ぬり立の畔をゆり出る田螺哉〈十丈〉」
油分を含んだ漆を塗り、研ぎや磨きを加えないで光沢を発する塗り方。単に「立て」ともいう。
越前竹人形(1963)〈水上勉〉五「塗立てとはうるしを塗ることをいうのだが」

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