ゆり(読み)ユリ

デジタル大辞泉の解説

ゆり[格助]

[格助]《上代語》名詞・活用語の連体形に付く。動作・作用の起点を表す。…から。→より
「かしこきや命(みこと)被(かがふ)り明日―や草(かえ)が共(むた)(=カヤトトモニ)寝む妹(いむ)なしにして」〈・四三二一〉

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

ゆり

?-? 江戸時代中期の女性。
越後(えちご)(新潟県)三島郡(さんとうぐん)村田村の農民伊兵衛の娘。同郡出雲崎尼瀬の大工作太夫と結婚。よく姑(しゅうとめ)につかえ,その孝行ぶりに藩主から米5俵,寛保(かんぽう)2年(1742)幕府から銀20枚をおくられる。林鳳谷(ほうこく)はゆりの伝記「越後孝婦伝」を出版した。

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大辞林 第三版の解説

ゆり

( 格助 )
〔上代語〕
時間的・空間的起点を示す。から。 「恐かしきや命被かがふり明日-や草かえがむた寝む妹いむなしにして/万葉集 4321」 「おしてるや難波の津-舟装ひ我あれは漕ぎぬと妹に告ぎこそ/万葉集 4365」 「皇朕高御座に坐し初めし-今年に至るまで/続紀 天平一宣命」 〔 (1) 上代には、この語とほとんど同じ用法をもつ格助詞に「ゆ」もある。語源については、「ゆり」の省略形として「ゆ」が生じたとする説と、「ゆ」から「ゆり」が派生したとする説とがある。また「ゆり」は、「後のち」の意の名詞「ゆり(後)」から出たものともいわれる。 (2) この語は、「万葉集」と「続日本紀」の宣命とに用例が見られるだけで、用法もごく限られている〕 → ゆ(格助)よ(格助)より(格助)

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精選版 日本国語大辞典の解説

ゆり

〘格助〙 体言または体言に準ずるものを受け、時間的、空間的起点を示す。
※続日本紀‐天平元年(729)八月二四日・宣命「皇朕高御座に坐し初めし由利(ユリ)今年に至るまで」
[語誌](1)上代にほとんど同じ用法をもっていた格助詞「ゆ」「ゆり」「よ」「より」の四語のうち、「ゆり」は「続日本紀‐宣命」と「万葉集」だけにあらわれ、用例が最も少なく用法も最も狭い。
(2)語源に関しては「後」の意味の名詞「ゆり(後)」が転じたものであるとする説がある。この説によると、他の三語は、接尾語的な「り」が落ちたり、「ゆ」が「よ」に転じたりして成立したもので、そうだとすると、四語のなかで「ゆり」の勢力が弱いのは最も古いからであると考えられる。一方、「ゆ」「よ」がまずあって、それに接尾語的な「り」がついて、「ゆり」「より」が派生したと見る説もある。→格助詞「より」の語誌

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