夜渡(読み)よわたる

精選版 日本国語大辞典 「夜渡」の意味・読み・例文・類語

よ‐わた・る【夜渡】

〘自ラ四〙
夜空を通過する。月や鳥などが夜空を行く。
万葉(8C後)一五・三六五一「ぬばたまの欲和多流(ヨワタル)月は早も出でぬか海原八十島の上ゆ妹が辺見む」
② 夜、一方から他方へ移動する。また、夜間に渡り歩く。
拾遺愚草(1216‐33頃)中「まきの戸の夜わたる梅のうつり香もあかぬわかれのありあけのかげ」

よ‐わたし【夜渡】

〘名〙 一晩中。夜どおし。よもすがら。
※万葉(8C後)一八・四〇八九「めづらしく 鳴く霍公鳥 菖蒲草(あやめぐさ) 珠貫くまでに 昼暮らし 欲和多之(ヨワタシ)聞けど」

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