夜須西郷(読み)やすさいごう

日本歴史地名大系 「夜須西郷」の解説

夜須西郷
やすさいごう

南北朝期から戦国期にかけてみえる郷。郷域は未詳であるが、現夜須町から三輪みわ町にかけての地域と推定される。建武三年(一三三六)二月五日の少弐妙恵譲状(筑紫古文書追加/南北朝遺文(九州編)一)によると、「夜須西郷地頭職」が次郎資経に譲与されている。当郷の地頭職は、応永二七年(一四二〇)六月五日の少弐満貞書下(筑紫古文書/大宰府・太宰府天満宮史料一三)では「妙恵譲状之旨」に任せて武藤白幡氏に安堵され、また文安二年(一四四五)八月一二日の少弐教頼書下(同上)でも白幡将監入道に安堵されており、少弐氏一族の白幡氏が伝領している。永和四年(一三七八)と推定される九月一五日付少弐頼澄書下(町村書上帳/南北朝遺文(九州編)五)では、加世孫三郎に対して当郷内栗田くりだ(現三輪町)の「田地参町青木入道跡并同郷内大神内青木入道跡六町・佐渡入道跡六町」が宛行われている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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