日本歴史地名大系 「大股川」の解説 大股川おおまたがわ 岩手県:気仙郡住田町大股川住田町の西部種山(たねやま)高原に発して東へ流れ、世田米(せたまい)字川口(かわぐち)で気仙川に合流する約一四キロの急流。遠野市小友(おとも)の赤坂(あかさか)山に発する小股(こまた)川が世田米字小股で合流する。近世には種山を越えて南東へ下る盛(さかり)街道が、小股川から大股川沿いに走っていた。「仙台領道程記」には「小又川三ツ広五間ヨリ三間迄深五寸宛」とみえる。大股川は古くは環(たまき)川または逆(さかさ)川とよばれた。宝暦一一年(一七六一)の「気仙風土草」に環川とあり、「渓流岸に副て、丸き小山をめぐり流るる形環の如し、又俗に逆(さかさ)川とも云、流れ下れる水勢岩に衝あたり、戻れる形逆に流れ、山をめぐりてもと衝あたりたる」と記し、「封内風土記」には「渓流遶山、其形如環、土人呼之曰逆(さかさ)川、其流勢激岩、逆流回山、復激初所激之岩回、故云爾、(中略)希有之奇観也」とみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報