天目山(中国)(読み)てんもくさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天目山(中国)」の意味・わかりやすい解説

天目山(中国)
てんもくさん / ティエンムーシャン

中国、浙江(せっこう)省北西部、安徽(あんき)省との省境付近を南西から北東方向に走る山地。東天目山と西天目山があり、最高点は西天目山の竜王(りゅうおう)山(1587メートル)である。山頂にはどちらも「天目」と称する池をたたえ、梁(りょう)の昭明太子が西天目で読書し東天目で参禅するなど、事跡はほぼ対置される。東天目山には「玉剣飛橋(ぎょくけんひきょう)」「懸崖飛瀑(けんがいひばく)」とよぶ二つの奇勝があり、いずれも滝の景観が美しい。西天目山には禅源(ぜんげん)寺、象鼻(ぞうび)峰、張公洞(ちょうこうどう)、玉枉(ぎょくおう)峰などの名勝があり、山頂からは銭塘(せんとう)江を遠望できる。また太湖(たいこ)に注ぐ苕渓(ちょうけい)や銭塘江上流の桐渓(とうけい)などの発源地でもある。

[林 和生

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