天願村(読み)ていんぐわんむら

日本歴史地名大系 「天願村」の解説

天願村
ていんぐわんむら

[現在地名]具志川市天願てんがん・みどりまち一―四丁目・同六丁目・昆布こんぶ

安慶名あぎなー村の北にある。北東金武きん湾に面し、南を天願てんがん(ティングヮン)川が南東流して宇堅うきん村に入る。ティングヮンとよばれる。「おもろさうし」巻一六の三八に「一 てくらんのろの(天願のノロが)/くにてもち みおちへに(国手持ち〔玉〕を御内〔聖域〕に〔秘蔵し〕)/かつれんす くにてもちくすく(勝連こそ国手持ち〔のある〕グスクだ)/又 わらいきよ のろの(笑い子〔神女〕ノロが)/又 あんしおそいきや おより(按司襲いの為に)/かつれんにおれて(勝連に降れて)」とある。玉が集まることは魂や霊力が集まることであって、それだけ城や主が強化されることにつながる。また「諸間切のろくもいのおもり」には、天願ノロが謡うウムイ六首が記されている。「オタケニテノオモイ」「トノニテノオモイ」という詞書が付いたウムイは、天願ノロが管轄したコシ森・コシモリ嶽ノ殿(琉球国由来記)で謡ったものと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android