対州鉱山(読み)たいしゅうこうざん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対州鉱山」の意味・わかりやすい解説

対州鉱山
たいしゅうこうざん

長崎県北部,対馬の南西部にあった鉱山。佐須川の床ノ谷にあり,鉛,亜鉛,銅などを産出,鉛は広島県の竹原市契島,亜鉛は群馬県安中,硫化鉱は北九州市黒崎,銅は福島県小名浜へ送られた。積出港は南室港。対馬唯一の近代産業で付属の技術学園もあったが,カドミウム汚染要観察地域に指定され,1975年閉山。

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世界大百科事典(旧版)内の対州鉱山の言及

【厳原[町]】より

…水産業は対馬を代表する近海のイカ釣漁業とブリ飼付漁があるが,ブリの水揚げ量は全体の30%を占める。樫根にあった東邦亜鉛対州鉱山は亜鉛,鉛を産したが,カドミウムによる公害が生じ輸入原鉱にも押されて73年閉山した。北部の上見坂(かみざか)は溺れ谷の浅茅(あそう)湾を眼下に,遠くは九州,朝鮮半島の山々を望める景勝地である。…

【対馬】より

…とくに浅茅湾を中心とする真珠養殖は,大正期に島外業者によって導入されたもので,第2次大戦後急速に伸びて地元民による養殖も行われており,養殖真珠の日本三大産県の一つである長崎県の総収獲量の約4割を占めている。地下資源は亜鉛,鉛を埋蔵し,東邦亜鉛が厳原町佐須地区の対州鉱山で採掘し精錬していたが,カドミウム公害の発生もあって73年に閉山し,めぼしい鉱工業は島から消えた。 変化に富んだリアス海岸と美しい自然林,多くの史跡に恵まれ,1968年壱岐対馬国定公園に指定された。…

※「対州鉱山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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