…人間の基本的な感情の一種で,日本語でいえば〈憂鬱(ゆううつ)〉または〈悲哀〉にあたる。もとは古代ギリシア・ローマで医学用語として使われたのが始まりで,この伝統は二千数百年後の今日も精神医学の分野でなお受け継がれており,その限りでは〈鬱病〉というふうに意味がせばまる。ギリシア語のメライナmelainaまたはメランmelan(黒い)とコレcholē(胆汁)の合成からなることでもわかるように,体液のなかで黒胆汁が過剰になるのがこの病で,ギリシア語ではメランコリアmelancholiaと呼ばれた。…
※「小森玄良」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」