居籠む(読み)いこむ

精選版 日本国語大辞典 「居籠む」の意味・読み・例文・類語

い‐こ・むゐ‥【居籠・居込】

  1. 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 大勢の者が狭いところに身をわりこませる。つめてすわる。
    1. [初出の実例]「里より参る人々は、なかなかゐこめられず、裳の裾、衣の袖わくらむかたも知らず」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一〇日)
  3. へやなどにとじこめる。拘禁する。幽閉する。
    1. [初出の実例]「塩冶如何思ひけむ、義縄をゐこめて置て、隠岐の国へ帰さず」(出典:梵舜本太平記(14C後)七)

居籠むの補助注記

紫式部日記の例は、「身を落ちつけてすわる」とする説や、「率込む」(つれこむの意)とする説がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android