朝日日本歴史人物事典 「山崎竜」の解説
山崎竜
江戸中期の浮世絵師。江戸下谷長者町の御旗本同心山崎文右衛門の娘と伝える。幼少のころから絵を学んだようで,現存する作品には14歳筆の落款を伴うものが数点あり,それらはすでに画風が確立されているところから,相当早熟であったと思われる。彼女の絵は「おりう絵」と呼ばれて人気を博したが,現在33歳筆の年記を伴う作品が最年長のものとして知られている。師承については菱川師宣門人と伝えられるが,師宣とは年代が隔たり,むしろ独学で諸派を混合した画家だったと思われる。作品に「二美人東下り図」(東京国立博物館蔵),「縁先美人図」(日本浮世絵博物館蔵)ほかがある。
(安村敏信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報