山村吉則(読み)やまむら・よしのり

朝日日本歴史人物事典 「山村吉則」の解説

山村吉則

生年生没年不詳
11世紀の中ごろから12世紀初めにかけて大和国広瀬郡下倉郷(奈良県河合町)に居住した在地土豪。大和国添上郡の南部本拠を置き10世紀末ごろから右近衛府右兵衛府に出仕して下級官人となり,また累代舞人の職を世襲した山村氏一族公領の徴税単位のひとつである大田犬丸名(河合町長楽・穴闇・池部周辺)の西半分16町6反余を領有しており,この大田犬丸名内に,東大寺大仏供白米を反別1斗宛出す白米免田小東庄が設定された。そのため東大寺文書中に名前が残り,在地土豪としての吉則および一族の存在形態が注目されるところとなった。<参考文献>泉谷康夫『律令制度崩壊過程の研究』,稲垣泰彦『日本中世社会史論』

(泉谷康夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山村吉則」の解説

山村吉則 やまむら-よしのり

?-? 平安時代後期の豪族
大和(奈良県)広瀬郡下倉郷にすみ,康和3年(1101)の「山村吉則紛失状案」によると,東大寺領小東荘に約16haを所有していた。4年から6年にかけて子供たち9名に土地を分与した。法名は道寂。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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