デジタル大辞泉
「豪族」の意味・読み・例文・類語
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ごう‐ぞくガウ‥【豪族】
- 〘 名詞 〙 ある地方に土着して富や勢力を持っている一族。地方の権勢家。
- [初出の実例]「当国・隣国の豪族の人来て乞と云ども」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
- [その他の文献]〔呉志‐歩隲伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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豪族
ごうぞく
一般的には、地方に居住し権勢を有する一族のことをいう。しかし、歴史的には、地方居住者に限らず、王族ではない有勢な一族をいう場合がある。律令(りつりょう)国家以前のいわゆる大和(やまと)王権のもとにおいては、5世紀以降王権に結集してきた大和(奈良県)、河内(かわち)(大阪府)などに本拠をもつ臣(おみ)・連(むらじ)などの姓(かばね)をもつ氏族を中央豪族、また地方にあって国造(くにのみやつこ)・県主(あがたぬし)に任ぜられた直(あたい)・君(きみ)などの姓を有する氏族を地方豪族とよんでいる。律令国家のもとでは、豪族といえばもっぱら地方豪族のことで、王族および五位以上の貴族に対比される概念として使われる。律令制下の地方豪族の多くは郡司(ぐんじ)あるいは国府の下級官吏に任ぜられ、地方行政の末端を担った。中世では、地頭(じとう)や荘官(しょうかん)・下司(げし)などの階層に対して用いられるが、とくに室町時代以降は、地侍(じざむらい)や公文(くもん)・沙汰人(さたにん)などを土豪とよび、豪族の概念は用いられなくなる。江戸時代以降においては、豪族・土豪とも使われず、かわって豪農・豪商の概念が用いられるようになる。
[原秀三郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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豪族
ごうぞく
中国で大土地所有者の有力家族を中心に,多くの分家・親族を結合した同族の力で地方に勢力をはったもの
すでに戦国時代末期から発生したと考えられるが,前漢中期ごろから農村内部の階層分化に応じて,少数の富裕農民や一部の商人が地主化して豪族となった。前漢の歳入は小農民からの田租や人頭税を中心としたので,小農民保護のために豪族の土地兼併を抑制したが効きめなく,豪族の連合政権的な性格をもつ後漢 (ごかん) の下で豪族はいっそう力を蓄えた。三国・南北朝時代の混乱期に彼らは事実上の社会秩序の維持者となり,九品中正法 (きゆうひんちゆうせいほう) による官吏登用もかえって豪族に利用され,彼らは上級官職を独占して門閥貴族層を形成していった。隋・唐は科挙を実施したが,唐初期は蔭位 (おんい) (無試験推薦)により貴族は高官を独占した。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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豪族(ごうぞく)
前漢中期から地方で勢力を持った同族集団をいい,後漢には皇帝権力を生み出すほど社会的な影響力を持った。史料では大姓,著姓とか同族を示した言葉で表現される。大土地所有者として奴婢(ぬひ)や小作人を使用して荘園経営で富を蓄え,郡県の下級官吏として地方政治を支えた。中央の官僚を輩出する有力な豪族もあった。中央から派遣された郡太守や県令(けんれい)の政治を支える一方,中央と利害も衝突した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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豪族
ごうぞく
歴史上,土着して,その地方に勢力をもつ一族をさし,特に古代においては,蘇我氏,大伴氏,物部氏などのように社会的・経済的基盤の強大な氏族をさす。しかし,時代とともに,豪族の没落,勃興による交代がみられ,中央貴族の系譜を引く地方豪族も出現し,やがて武士団の中核となっていった。最初の武家政権である鎌倉幕府も,東国の豪族たちの支持によって成立した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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豪族
ごうぞく
ある地方に土着し,そこで権勢をふるう一族
大化以前には,中央に葛城・大伴・物部 (もののべ) ・蘇我氏などの大豪族と中小豪族の伴造 (とものみやつこ) があり,地方には国造 (くにのみやつこ) ・県主 (あがたぬし) などがあった。律令国家では中央豪族は貴族となって政治に参与し,地方豪族はだいたいそのまま存続し,郡司などに任命された。10世紀ごろから皇族・貴族で地方に土着し豪族となる者が出現。有力武士にはそのような豪族の出身者が多かった。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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普及版 字通
「豪族」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の豪族の言及
【漢】より
…このとき運よく生き残ったものは,商業を避けて土地に投資し,地主への転身をはかった。後漢時代にとくに顕著となる豪族の中には,こうした転身者の子孫がかなりあったとみられる。また新経済政策にともなう商人の没落は,同時に商業そのものの性格を変えることになった。…
※「豪族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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