干貝(読み)かんぺい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「干貝」の意味・わかりやすい解説

干貝
かんぺい

ホタテガイタイラガイ貝柱を干したもの。あまり大きくなく、形の整った飴(あめ)色のよく乾燥したものが上等品で、形が崩れたり割れたりしているものは二等品である。日本では北海道から多量に産出する。よくかみしめると非常によい味の出るのが特徴で、このよいだしを中国人は愛好し、湯菜(タンツァイ)、炒菜(チャオツァイ)、溜菜(リウツァイ)、蒸菜(チョンツァイ)など、広く多くの料理に用いる。干貝のもどし方は、小鍋(なべ)に干貝を入れ、酒1、水3の割合の汁をひたひたにして、きっちり蓋(ふた)をして蛍火(ほたるび)にかけ、約30分間くらい煮ると指先で軽くほぐれるようになる。これを細かくほぐし、小鍋に残った汁とともに湯菜やそのほかの料理に用いる。干貝湯(カンペイタン)は干貝の中国スープで、この湯(タン)は炒飯(チャーハン)にもよいが、タケノコシイタケ、キヌサヤエンドウ、ハムなどを加えて筵席(イエンシー)(宴会席)の湯菜として用いても美味である。

[野村万千代]

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