年寄名跡(読み)トシヨリミョウセキ

知恵蔵 「年寄名跡」の解説

年寄名跡

力士で引退後に年寄を襲名、継承した者は年寄(親方)と呼ばれ、日本相撲協会の評議員となる。年寄を襲名するには年寄名跡(親方株)が必要で2006年9月現在、105ある(他に一代年寄の北の湖、貴乃花)。元々は相撲興行の、収益の分配を受ける権利だった。かつては師匠弟子の関係でやり取りされてきたが、扶養金の名目などで実質的には売買されている。親方株は相撲協会に残るための権利で、一種の営業権ともいえる。1996年に故・二子山親方(元大関貴ノ花)が名跡取得に関連し税の申告漏れを指摘されたり、2003年には立浪親方(元小結旭豊)が元の名跡の所有者から名跡の代金支払いの民事裁判を起こされたりと、江戸時代以来の制度ながら、不明朗な部分を多く残している。

(根岸敦生 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む