庸調(読み)ようちょう

精選版 日本国語大辞典 「庸調」の意味・読み・例文・類語

よう‐ちょう‥テウ【庸調】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 凡庸なこと。平凡なこと。
    1. [初出の実例]「弟子等、撫躬非聖、尅己庸調」(出典性霊集‐七(835頃)荒城大夫奉造幡上仏像願文)
  3. 庸と調。ちからしろとみつぎもの。課役。
    1. [初出の実例]「従駕諸国騎兵六百六十人、皆免庸調并戸内田租」(出典:続日本紀‐慶雲三年(706)一〇月乙酉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の庸調の言及

【庸】より

…隋・唐の〈賦役令〉の規定は丁男の正役を年間20日,閏年には22日とするが,首都近傍の一部を除き,大部分の丁は役に徴発されることなく,1日当り絹3尺(あるいは麻布3尺7寸5分)の割で絹6丈(または麻布7丈5尺)を納め,これを庸とした。庸は調と一括徴収されたので,多く庸調と連称され,貨幣流通がなお限られ高額取引に多く絹が使われた当代では,諸税の中心的存在であった。租庸調【池田 温】
[日本]
 古代の律令国家の税制の一つに,成人男子を年に10日間徭役する歳役(さいえき)とよばれる制度があったが,実役に就かない場合は代償として布2丈6尺を徴収し,これを庸とよんだ。…

※「庸調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android